SHOFUSHAレーベル
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曲目
PROGRAM
R.シューマン / ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47
- 1Ⅰ Sostenuto assai-Allegro ma non toroppo
- 2Ⅱ Scherzo Molto vivace
- 3Ⅲ Scherzo : Andante cantabile
- 4Ⅳ Rondo : Finale. Vivace
解説
J.ブラームス / ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25
- 5Ⅰ Allegro
- 6Ⅱ Intermezzo : Allegro ma non troppo – Trio : Animato
- 7Ⅲ Andante con moto
- 8Ⅳ Rondo alla Zingarese : Presto
解説
ヨハネス・ブラームスはピアノ四重奏曲ト短調op. 25を1856年から1859年にかけて構想を練り、1861年28歳の時にハンブルクで完成させた。同年11月、この作品もクララ・シューマンによるピアノで初演された。翌年ウィーンに再演され、ブラームスがウィーンでピアニストとしてデビューした。
この曲はブラームスのそれまでに作曲したうちで最も大きいソナタ形式のひとつで、暗く広がりのあるAllegroに始まる。
第2楽章のIntermezzo(Allegro ma non troppo)は穏やかなテンポの優美なスケルツォで、それ以降にブラームスが繰り返し採用する様式の最初の例である。
第3楽章(Andante con moto)は変ホ長調の歌うようなメロディーから始まり、行進曲風のハ長調に移行する。
終楽章(Presto)の燃え立つようなジプシー風ロンドは、ハイドンの有名なピアノ三重奏曲ト長調、シューベルトのハンガリー風ディヴェルティメント(D.818)、リストのハンガリー狂詩曲などの前例から影響を受けたと思われるが、実はハンガリーのヴァイオリニストで友人のエドゥアルト・レメーニやヨーゼフ・ヨアヒムに動機付けられたであろう。
1861年にヨアヒムは「ハンガリー風」のヴァイオリン協奏曲を発表し、ブラームスに献呈していることも偶然ではなかろう。
しかしながら、ブラームスの終楽章はその猛スピード、極度の感情変化、ヴィルトゥオーソ的技巧の要求(ピアノのカデンツァを含む)など、それまでの室内楽の分野においては先行作品をはるかに凌ぐ。この楽章の情熱的な賑やかさが四重奏曲全体の高い人気に大きく貢献している。
ジェラルド・グローマー (山梨大学教授)
アーティスト
ARTIST
Pierre Amoyal (Violin)Yuko Shimizu-Amoyal (Viola)
Nathaniel Rosen (Cello)
Akimi Fukuhara (Piano)
使用楽器
INSTRUMENTS
- Violin( YU IIDA 2013 )
- Viola( YU IIDA 2014 )
- Violoncello( YU IIDA 2017 )
- Piano( Bösendorfer )
それまでピアノ曲を主に作曲してきたロベルト・シューマンは、1840年に140の歌曲を完成させた。
翌年には交響曲を2曲と『序曲、スケルツォとフィナーレ』op.52、そしてピアノ協奏曲の一部を仕上げ、1842年には室内楽作品創作に没頭した。
それぞれ1年の間をあけずに弦楽四重奏曲を3曲op. 41、ピアノ五重奏曲op. 44、ピアノ三重奏のための幻想小曲集op.
88を作曲している。そしてこのCDに収められているピアノ四重奏曲op.
47も同時期に作曲し、ピアノ五重奏曲を完成させた数日後の1842年10月24日に着手、11月26日には書き上げた。
1844年12月8日クララ・シューマンによるピアノでライプツィヒにて公に初演され、翌年楽譜が出版された。
このピアノ四重奏曲はピアノ五重奏曲より演奏頻度は低いものの、シューマンが古典音楽の作風を完全に掌握していることを示す傑作である。
ベートーヴェンの作品より音楽的モチーフの扱い方を学び、シューベルトの作品から長いメロディーを室内楽に組み込む方法を見出す。そしてバッハの作品の研究から巧みな対位法の用い方を習得した。
第1楽章(Sostenuto assai – Allegro ma non troppo)は緩やかな導入部にこの曲の主題が提示され、後半にも繰り返される。スケルツォ(Molto vivace)には2つの対照的なトリオが挿入され、楽章全体の繊細さとスピードはメンデルスゾーンの作品を連想させる。
緩徐楽章(Andante cantabile)はチェロが最初に提示するメロディーに支配され、楽章の終盤にはチェロは長い持続低音を演奏し、それにのせて終楽章のモチーフがスローモーションでほのめかされる。
終楽章(Vivace)は極めて対位法的ではあるものの、バッハというよりもベートーヴェンのフーガからインスピレーションを得たとみられる。
ジェラルド・グローマー (山梨大学教授)