SHOFUSHAレーベル

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曲目
PROGRAM

R.シューマン:おとぎの絵本
  • 1Ⅰ Nicht schnell
  • 2Ⅱ Lebhaft
  • 3Ⅲ Rasch
  • 4Ⅳ Langsam, mit melancholischem Ausdruck
R.Schumann / Märchenbilder, Op.113
解説

この作品が書かれるまでに、シューマンは協奏曲や管弦楽曲などを多く作曲していた。交響曲第3番「ライン」や「チェロ協奏曲」などは「おとぎの絵本」が作曲される1951年までに書かれた。同年は、ピアノと独唱による比較的小さな作品群が多くつくられており、2年後に控えるデュッセルドルフの音楽監督辞任の前の、穏やかで落ち着いた時期である。出版業者で著作もあったという父親のもとで早くから文学に親しんだシューマンにとって、晩年は、ドイツの奥深い絵本の世界に魅了されていたのかもしれない。シューマン特有の幻想的な美しい旋律と共に、不安や悲哀、喜びや慈愛など、あらゆる感情が表現された作品である。

 

藤田 健二

D.ミヨー:ヴィオラソナタ第1番 作品240
  • 5Entrée
  • 6Francaise
  • 7Air
  • 8Final
D. Milhaud / Viola Sonata No.1, Op.240
解説

歌劇、バレエ音楽から各種協奏曲、室内楽作品、声楽曲まであらゆるジャンルに膨大な作品を作曲したミヨーは1909年にパリ音楽院に入学し、その後、ラヴェルやドビュッシー、ムソルグスキーらに強い影響を受けた。また、バッハにおける複調性や多調性についての研究に没頭し、それらはミヨーの作品全般にわたって色濃く現出することとなる。明快なリズムや馴染みやすい旋律とともに、色鮮やかなな色彩を放つ音楽はミヨーの特徴である。ヴィオラ・ソナタ第2番は、ヴィオラ・ソナタ第1番が書かれた同年の1944年に作曲された。形式美と旋律美、音の色彩が見事に表現されており、ヴィオラの持つ深い味わいを存分に楽しむことができる。

 

藤田 健二

B.ブリテン:ラクリメ ダウランド歌曲の投影
  • 9ラクリメ ダウランド歌曲の投影
B. Britten / Lachrymae, Op.48 “Reflections on a Song of John Dowland”
解説

スコットランド生まれのヴィオラの名手、ウイリアム・プリムローズ(William Primrose 1904-1982)のために作られた作品である。プリムローズは、このCDに使用されている楽器の製作者である飯田裕氏との深い親交があり、晩年は飯田氏の製作したヴィオラを愛用していたことが知られている。「ラクリメ」(ラテン語で涙の意)は、ジョン・ダウランド(1563-1626エリザベス王朝期に活躍したイギリスの作曲家)のリュート歌曲集第1巻に含まれる、叶わぬ愛を歌う歌詞を持つ「もしぼくの嘆きが If my complaints could passions move」に基づく変奏曲である。ブリテンが亡くなる年、1976年にピアノ伴奏部分が弦楽合奏へと書き直されたことからも、この作品に対するブリテンの愛着がうかがわれる。

 

藤田 健二

J.ホフマン:ヴィオラ独奏のためのクラコフ変奏曲
  • 10ヴィオラ独奏のためのクラコフ変奏曲
J.Hoffman / Krakow Variations for solo viola
解説

「クラコフ変奏曲」は、作曲者ジョエル・ホフマンのオペラ「ザ・メモリーゲーム」 (2002) のための習作の一つである。このオペラは、ナチス支配以前と渦中のクラコフ・ゲットー(ユダヤ人隔離居住区)に住むユダヤ人の生活を鮮やかに描いたユダヤ詩人で、作曲家のモルデチャイ・ゲビルティグについての物語である。

 

幾つかある習作は、作曲者が「ザ・メモリーゲーム」を作曲する以前に、音楽的かつ構造的テーマを展開する好機となった。実際に、このヴィオラ独奏作品は部分的にオペラの第二幕の冒頭に使われた。オペラ中、楽器による独白として、その場面までの出来事を再現し、反復する音楽的役割を担った。そういう意味でヴィオラは、言葉ではなく音符の響きで台詞を観客へ届けるキャラクターとなった。

 

「ザ・メモリーゲーム」では、ゲビルティグの歌が幾つか引用されている。そのうち二つが「クラコフ変奏曲」に用いられ、二つの旋律―「レイゼレ(ユダヤ人の娘の名)」と「金持ちの召使い」―は、絡み合い連動する歌の変奏として、ヴィオラ独奏の主題材となっている。短い導入部の後に「レイゼレ」が聴こえ、「金持ちの召使い」へと移行する。それからはこの二つの旋律の絡み合う変奏となり、まずは「レイゼレ」の変奏、そして「金持ちの召使い」の変奏、再び「レイゼレ」、更にまた「金持ちの召使い」……という風に最後まで続く。

 

二つの歌の内容は、互いに全く異なるものである。「レイゼレ」は、近所の娘に恋する青年が彼女の愛を勝ち取り、彼女の母親に認められる為にすべてを捧げる甘い恋の物語である。打って変わって「金持ちの召使い」は、富豪一家の召使として必死に働く若い娘が、無神経で下品な主人からの不快な口説きに耐え続ける物語である。どちらの歌物語も、「クラコフ変奏曲」では直接的に語られることは無いが、変奏曲の音符やフレーズ、加えてヴィオリストの表現するオペラ的性格も尚、その情緒的世界観に染められている。

 

ジョエル・ホフマン Joel Hoffman 

 

日本語訳:岩崎 真木子

R.シューマン:おとぎの絵本(VIOLA-YU IIDA 2018)
  • 11Ⅰ Nicht schnell
  • 12Ⅳ Langsam, mit melancholischen Ausdruck
解説

この作品が書かれるまでに、シューマンは協奏曲や管弦楽曲などを多く作曲していた。交響曲第3番「ライン」や「チェロ協奏曲」などは「おとぎの絵本」が作曲される1951年までに書かれた。同年は、ピアノと独唱による比較的小さな作品群が多くつくられており、2年後に控えるデュッセルドルフの音楽監督辞任の前の、穏やかで落ち着いた時期である。出版業者で著作もあったという父親のもとで早くから文学に親しんだシューマンにとって、晩年は、ドイツの奥深い絵本の世界に魅了されていたのかもしれない。シューマン特有の幻想的な美しい旋律と共に、不安や悲哀、喜びや慈愛など、あらゆる感情が表現された作品である。

 

藤田 健二

アーティスト
ARTIST

Toby Hoffman ( VIOLA )
Akimi Fukuhara ( PIANO )

使用楽器
INSTRUMENTS

  • VIOLA ( YU IIDA 2012 / YU IIDA 2018 )
  • PIANO( BECHSTEIN )